スローリーダーシップ宣言

2022年10月17日

スローイノベーション

Slow Innovation株式会社を立ち上げたのが、コロナ禍前夜の2019年10月1日。
ちょうど、まる3年が経過しました。

株式会社フューチャーセッションズから事業分割をするときの事業計画には、「つなげる30人」を全国展開すること、「スローツーリズム」をはじめとした「スロー事業」を次々と生み出す研究機関となることなど、「スローイノベーション」によって「地域から日本を変える」強い想いが記されていました。

そしていま、3年経って振り返ると、ゆっくりではありますが、京都市内の志高き方々、以前一緒に仕事をした方々などとのネットワークによって、スローイノベーションの想いは一つずつ実現し始めています。


つなげる30人

スローイノベーションの3年間で、もっとも力を入れてきたのが、人のつながりで社会イノベーションを起こしていこうという「つなげる30人」です。地域の企業と行政、NPOがフラットに共創するこのプログラムは、スローイノベーションの象徴として全国に広がりました。

その動きをさらに後押しするため、社団法人つなげる30人を今年度立ち上げました。日本中の「つなげる30人」を一斉に応援するリーグの本格始動を来年度から始めます。


スローツーリズムとスローガバメント

そして次の3年間で、クロスセクター共創の仕組みのつなげる30人と、関係人口を生み出すスローツーリズム、行政を市民に開くスローガバメント、これら3つを京都で統合して、新しい社会の仕組みにしていくことに挑戦していければと思っています。

「スローツーリズム」の事業は、脱炭素とSDGsの推進という文脈で、京都市と連携して立ち上げていきます。マスツーリズムに代わる新しい観光をつくるにとどまらず、「サステナビリティに向かう上でののコンフリクト」を可視化し、旅を通してその対立の中に身を置き、考え、対話することで、社会的な意思決定を促進するような事業にしていきたいと思っています。対話によって社会的合意形成を進めていく、ソーシャルダイアローグをモデルに、関係人口を含んだ拡大市民による京都のサステナブルなまちづくりができればと思います。

そして「スローガバメント」は、京都市の市政をすべて市民協働にシフトしていこうという運動になります。京都市に移住するきっかけとなった京都市役所での「市民協働ファシリテーター育成」は6年目を迎え、150人以上の市民協働ファシリテーター職員が既に活躍しています。この実践共同体を核に、京都市の仕組みを変えられたらなと思います。


スローリーダーシップ

今年から、京都工芸繊維大学の大学1年生と2年生に対し、リーダーシップの授業をするようになりました。ここで提示するコンセプトは、「スローリーダーシップ」です。社会課題解決は、「ゴールを示し、巻き込む」型のファストリーダーシップでは実現し得ないことがわかってきています。つなげる30人の実践を通して確信したことが、クロスセクターイノベーションに必要なものは、どんな組織に属していても市民として考え行動するリーダーシップでした。スローリーダーシップ実践者は、(1)自分自身の心のなかに「旗を立て」、(2)ステークホルダーの話を「聴ききり」、(3)共創的な関係をつくって「ともに変わる」、の3つの原則に沿って考え行動します。

次の3年間は、私自身が自分の古い価値観を手放し、あらゆる人の話を「聴ききる3年」にしたいと思っています。「スローリーダーシップ」の実践が、自分の内面から社会を変えることにつながることを信じて。


代表取締役 野村恭彦